ラウンジチェア

ダイヤモンドチェア正規品はKnoll製?座り心地は?

金属造形を極めて生まれたそのシートは、誰もが一度見たら忘れられないでしょう。
宝石の名を冠した名前も形通りでしっくりきますね。
そして、その持ち前の透明感から、日本の住宅にもとても馴染む椅子です。
今回は名作、ダイヤモンドチェアを紹介します。

ダイヤモンドチェアの特徴・座り心地

「空気でつくられている」とも評されるこのダイヤモンドチェアは、一本一本三次元的に曲げられたスチールロッドのワイヤーが網の目をつくり、透けた座面を形成しています。
見た目の印象も軽やかで、サイズは大きいですが透けているので圧迫感がありません。
華やかな座面に目が行きますが、脚部にも注目です。網の目のシートを際立たせるため、曲げた2本のスチールロッドを最小限の溶接で形作っており、脚部のデザインだけでもミニマルでキレがあります。
ブラック、ホワイト塗装は、バルコニーなど屋外での使用も可能で、特にホワイト塗装は爽やかなエクステリアにぴったりです。

シートパッドを使わずに座ると、スチールロッドの網目に座るので、正直硬く感じます。三次元に曲がった座面がお尻を包み込むので、座れなくはありませんが。
見た目はシートパッドを外したほうが美しいですが、やっぱり座り心地を考えるとシートパッド付きをおすすめします。
さらに座り心地を求めるなら、ラージダイヤモンドチェアという座面が完全にクッションに覆われたタイプもあるのですが、透け感が全く無くなってしまうので、やはり通常のダイヤモンドチェアがいいですね。
余談ですが、私の好きな温泉旅館「石葉」では湯上がりにダイヤモンドチェアが置いてあるのですが、シートパッドなしでタオル一枚で座ってもワイヤーが食い込むような感覚はなく、むしろ快適でした。網の目で透けているので蒸れることもなく、元々屋外でも使えるくらいなので、湯上がりの椅子に選ぶのは理にかなっているのかもしれません。

ダイヤモンドチェアのサイズ・価格

ダイヤモンドチェアのサイズは
幅85cm
奥行75cm
高さ75cm
座面高46cm
と大きいですが、上記の通り、圧迫感は無いので取り入れやすいです。

ダイヤモンドチェアの価格は、
ポリッシュクローム
(布C)¥187,000 (税込)
(布S)¥189,200 (税込)
(革)¥235,400 (税込)
ブラック
(布C)¥187,000 (税込)
(布S)¥189,200 (税込)
(革)¥235,400 (税込)
ホワイト
(布C)¥187,000 (税込)
(布S)¥189,200 (税込)
(革)¥235,400 (税込)
ブロンズ
(布C)¥231,000 (税込)
(布S)¥233,200 (税込)
(革)¥279,400 (税込)
ゴールド
(布C)¥453,200 (税込)
(布S)¥455,400 (税込)
(革)¥501,600 (税込)
とフレームの塗装色によって大きく変わります。
確かにゴールドのラグジュアリーな高級感は圧倒的ですし、ホワイトの爽やかさも素敵です。ポリッシュクロームやブラックは正統派なモダンさを感じますし、ブロンズはビンテージテイストにも合いそうです。塗装色によって大きく印象が変わるので、インテリアに合わせた一脚を選びましょう。

ダイヤモンドチェア正規品はKnoll(ノル)


ダイヤモンドチェア正規品を製造するブランドはKnoll(ノル)です。

ノルは1938年、当時24歳でドイツ生まれの家具商の息子ハンス G・ノールによってニューヨークに設立され、妻であるフローレンス・ノールとの協働により、世界的な家具ブランドに成長しました。
ミース・ファン・デル・ローエやエーロ・サーリネン、ハリー・ベルトイアなど、当時の時代の先端を行く建築家やデザイナーとのコラボレーションが、「Knoll社の歴史は、そのまま近代デザイン運動の歴史でもある」と言われるほど、20世紀のデザインに多大な影響を与えることとなります。
妥協を許さず、研究を重ね作り上げられたプロダクトは、美しさと心地良さを兼ね備えた「使われる芸術品」とも言われており、住宅からオフィス、公共空間まであらゆるシーンにおいてモダンでラグジュアリーな空間を演出します。
日本にもノルジャパンという公式代理店があり、東京は北青山にショールームを開設しています。

Knoll Japan Showroom ノル ショールーム〒107-0061 東京都港区北青山1-2-3 青山ビル1F
Tel. 03-6447-5405 Fax. 03-6447-5406
地下鉄銀座線・半蔵門線・大江戸線「青山一丁目」駅0番出口直結OPEN:11:00-19:00 / CLOSE:日曜定休

ダイヤモンドチェアはハリー・ベルトイアのデザイン


ダイヤモンドチェアは1952年にハリー・ベルトイアによってデザインされました。ハリーベルトイアは1915年イタリア生まれの金属彫刻家です。
1930年にアメリカのデトロイトに移住し、そして1937年ミシガン州のクランブルック美術大学に入学します。クランブルック美術大学は、あのチャールズ&レイ・イームズやエーロ・サーリネン、フローレンス・ノルも輩出した当時のアメリカ屈指の美術大学です。
1946年にカリフォルニアに移り、チャールズ・イームズの下で積層合板と曲げ加工の開発を行いました。有名なイームズの椅子にベルトイアが大きく貢献していたことは、あまり知られていません。木を曲げて成形することを不自然と考えていたベルトイアは、イームズから独立し、ペンシルバニアに移り、フローレンス・ノル、ハンス・ノルからの誘いでKnoll(ノル)と仕事をするようになります。彼らの作った工房で創作に励んだ結果、ダイヤモンドチェアを始めとする一連のワイヤーフレームを使ったコレクションが生まれたというわけです。その後、ベルトイアは彫刻家としての活動をメインにしていきますが、ダイヤモンドチェアをはじめとする彼の家具は、今でも売れ続けるロングセラーとなっています。

ダイヤモンドチェアに合わせるおすすめテーブル


ダイヤモンドチェアはラウンジチェアなので、サイドテーブルを合わせてくつろぎましょう。その中でもおすすめなのが、同じKnoll(ノル)、サーリネンコレクションのラウンドサイドテーブルです。エーロ・サーリネンによるKnollのコレクションで、チューリップチェアが有名ですが、このサイドテーブルは本当に何にでも合わせやすく、使いやすいです。
エーロ・サーリネンは4本脚の椅子、4本脚のテーブルを合わせた時に、テーブルの下に脚が多くごちゃごちゃと見えてしまう状況を解決するために、完全な一本脚の椅子、テーブルを開発しました。まるで床に吸い込まれていくような一本脚はどこに置いても馴染み、とてもシンプルなので、ダイヤモンドチェアのような特徴的な形をしたラウンジチェアによく合います。

最後に

ダイヤモンドチェアはこれだけ芸術的でありながら、現代のインテリアにも取り入れやすい稀有な椅子だと言えます。塗装色で大きく印象が変わりますが、私のおすすめはホワイトです。なにより屋外空間でとても映えるんです。本当に透け感が美しいので、バルコニーやテラスなど青空の下で爽やかに使っていただきたいです。